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『どん底』@渋谷シアターコクーン

ロシアの劇作家ゴーリキーの名作をケラさんがどんなふうに調理するのか。
出演キャストも豪華で、ケラ作品がちょっと苦手な私が、期待大で観に行ってきましたぁー!

どん底
どん底


うーん、どん底だぁ~!(笑)
とことん暗くて、重くて、救いがないよぉ。
でも私、、、この作品好きだわ♪

今日は終演後のロビーで橋本じゅんさんに遭遇!
私のすぐ目の前を横切っていったので、ビックリ!(笑)
あとは高橋克実さんもお見かけしました。

てな訳で、めちゃくちゃ長い感想をどーぞっ。(マジで最長だよ!)

ある木賃宿に、人生へのあきらめしか持ち合わせていない住人たちが巣食っている。
アルコール中毒の元役者、哲学かぶれ、鍛冶屋と、今にも病死しそうなその妻、文句ばかりの帽子屋、男性不信の饅頭売りの女、恋物語の妄想にふける娼婦、気取った元貴族、賭け事に興じる警官、そして夜な夜な集まる労働者や浮浪者たち・・・。
強欲な木賃宿の大家夫妻に悪態をつきながら、お互いにいがみ合いながらの生活。
最近の住人たちの興味は、若い泥棒と、木賃宿の妻との不倫の関係が終わるのではないか、ということだった。男は、こんな状況の中でも純粋さを忘れない妻の妹に惹かれ始めている。不穏な空気が漂う中、謎の男が現れる。その男はしばし木賃宿の面々を観察したのち、皆に〝新しい世界〟を説き始める。「人間は、変わろうと思えば、いつでも変われるんだ」と。
悲惨な状況でもどこか享楽的で楽観的な空気が漂っていた木賃宿の日常のバランスが崩れ始める・・・。(公式サイトより)


私はゴーリキーの原作読んだ事ありません。黒澤映画も見た事ありません。
故にな~んの前知識もなく、観に行きました。
ロシア文学という事で暗いイメージを持ってたけど、、、ケラさん独自のスパイスで、暗い中にも笑いがあり、明るく生きている人物達になんだか好感さえ覚え、微笑ましく思えたりして・・・。
でもやっぱりベースは、暗くて重いお話なんだけどね。(笑)

舞台セットは汚い木賃宿。真ん中には大きなテーブルが置かれ、奥には決して清潔とは言えないベット。錠前屋の作業スペースもあり、井戸やら物置、そして配管が剥き出しとなっている。
そんな木賃宿に集まってきた住人は、、、(登場人物多いから一言づつね♪)

江口洋介さん:ペーペル(泥棒)
木賃宿の妻と不倫をしていたが、その妹に惹かれ始め、不倫相手の夫からは目の敵にされている。
舞台出演が2作品目とはいえ、難しい役どころを見事に演じてましたね。
ナターシャを純粋に思う気持ちが伝わってきて、切なくなりました。

荻野目慶子さん:ワシリーサ(大家の妻)
ペーペルと不倫している妻。そのペーペルが妹に惹かれ始めてるのを知り、妹を執拗にイジメる。
ん~、怖い!の一言。(笑)
タバコの煙を燻らせながら住人達にも威圧的な態度で接する姿は堂に入ってました。

若松武史さん:大家
妻には不倫され、住人達には煙たがられ、一番孤独な人物。
若松さんの”老け役”は絶品ですなぁ~。(笑)
誰からも愛されず、最後には頭を打ってあっけなく死んでしまう可愛そうな大家を演じてました。

緒川たまきさん:ナターシャ(ワシリーサの妹)
姉からのイジメに耐え、住人達に分け隔てなく優しく接する健気な娘。
ペーペルと一緒に地獄からの生活から逃げようとするも、結局その愛を信じられずにペーペルを警察に送りこむ事に。
舞台で拝見するのは2度目ですが、やっぱり美しいですね♪
姉から暴行を受け、足に火傷を負ってしまうのですが、その時の美しい”御み足”に見惚れてしまいました。(笑)

マギーさん:帽子屋
木賃宿での生活を楽しんでいるかのようで、住人の中で一番のムードメーカー。
マギーさんのキャラを生かした役柄って感じでピッタリでしたね。
劇中、紙をフライにして食べるシーンがあったんだけど、ちょっと美味しそうって思ったりして。(笑)

大鷹明良さん:錠前屋
仕事が無く、重い病気の妻に当たり散らしながらも鍵を打ち続ける鍵屋職人。
終始イライラして大声で怒鳴り散らす姿に、なんだか観てる私もイライラ。
病気の妻に優しい言葉のひとつも掛けてあげられない姿に一番カチンときたのかも。(笑)
でも職人としてのプライドと、妻からの信頼があったからこそ生きてこれたんだろうなぁって思ったら、可哀相な男に見えてきたのは、大鷹さんの演技力の賜物でしょうね。

池谷のぶえさん:アンナ(錠前屋の妻)
仕事が無い夫を支え、重い病気に掛かり今にも死にそうになりながらも夫を気遣う妻。
汚いベットに寝て、汚い衣装に、汚いメイク。(笑)
ずっと咳き込んでいる演技が、本当に死にそうで辛そうだったなぁ。
自分も空腹なのに夫に饅頭を薦める姿は、本当に夫を愛してるんだなって感じました。

犬山イヌコさん:万頭
手作りの饅頭を売り生活費を稼いでいて、住人達の中では一番の常識人。
やっぱり私はイヌちゃんの声、よく通って好きだなぁ♪
ラストでは木賃宿の女将となるんだけど、ワシリーサのマネをして長いキセルでタバコを吸う姿に笑いました。

皆川猿時さん:警官
しょっちゅう木賃宿に入り浸り、万頭に惚れて必死に言い寄るが相手にされない警官。
「メタマク」の時は他のキャストから浮いてると感じた猿時さんですが、今回はいい感じの存在感でしたね。(笑)
ラストでは不在となった大家の代わりに引き継ぎ、木賃宿の大家となるんだけど、情けない感じのキャラはそのままで可笑しかったです。

松永玲子さん:ナースチャ(娼婦)
恋愛小説の主人公に共感し、妄想の中に自分の居場所を求めている娼婦。
最初登場してきた時、あまりにも普通な感じだったので、(誰?)って思っちゃいました。
観てる間はずっと、”お色気担当”って意味で、「BIGシリーズ」の”サラ”のイメージがついて回ってしまいました。(笑)

三上市郎さん:男爵
かつては大きな屋敷に住む男爵だったと言うが、今はナースチャに売春客を斡旋して稼いでいるヒモ男。
いやぁ~三上さん、格好いい!汚くボロボロの衣装だけど格好いい!(笑)
昔のプライドもなんのその。小銭のために犬のマネをするんだけど、それが妙に上手くて笑っちゃいました。

大森博史さん:サーチン
人にお金をせびったり、いかさまトランプで人をだます小悪党。
このサーチンの人物が一番つかみ所がなかったなぁ~。
大森さんも飄々と演じてて、尚更そう感じたのかも。
ルカーからの影響を受け、”希望論者”になっていく姿に深く考えさせられたりして・・・。

山崎一さん:役者
かつては名優だったというが、今ではアルコール依存になりセリフを忘れてしまう哀れな役者。
あぁ~、もうね山崎さんの役者というキャラがいとおしくて仕方が無かったなぁ。
唯一の友達だという公園のリスの事を話してる姿とか、アルコール依存症を治す病院があると聞き、希望を持って前向きになる姿が可愛くて・・・。(笑)

段田安則さん:ルカー(巡礼)
巡礼の途中で、この木賃宿に立ち寄った謎の老人。
あっぱれ!この一言です。
さすがは段田さんだなぁ~。彼が舞台に登場してからガラリと空気が変わったもん!
まあ、役柄的な要素もあるけど、それ以上に段田さんの存在感の賜物でしょう。

劇中、浮浪者という役で4人のミュージシャンが登場。
アコーディオンや、トランペット、サックス、パーカッションが出てきて場面転換の時などに演奏するんだけど、こtれがまたいいアクセントになってました。
パーカッションの人が、(どこかで見た顔・・・)って思ったら、「たま」の人だったよ。(笑)
ランニング姿で「着いたぁー!」って叫んでた人ね♪(これで分かったあなたは同世代♪)

2幕目のセットは木賃宿の屋根の上。これがまたいい!
室内の暗く陰湿なイメージから一転し、地上の明るい雰囲気が”希望”を示しているようで、すごく分かりやすかった。
そこに雪が降り始めるんだけど、これがまたスゴイ!
最初はチラチラ程度だったのが猛吹雪になったのは、希望からまた暗闇に突き落とされたようでした。
ただ降雪機の音が予想以上に「ゴォー!」っとうるさかったのがちょっと残念。

住人達に希望を与えていったルカー。
ペーペルはナターシャと一緒に地獄から逃げる事を決意し、役者は再び舞台に立つ事を夢み、サーチンもまたルカーの言葉に心を解かしていく・・・。
しかしペーペルは大家殺しの罪で投獄され、ワシリーサもまた投獄される。
いつの間にか姿を消したルカーの後、希望の言葉を唱え始めたサーチン。
新しく大家となった警官と万頭夫妻により、少しずつ明るい希望が見え始めた住人達に最悪のニュースが飛び込んでくる。

「役者が自殺した」

ここで幕。

あまりにも衝撃的なラストに頭がついていかなかった私。(笑)
だってぇ、希望に満ち溢れ、明るくラストを迎えそうな雰囲気だったのにいきなりどん底に突き落とされたんだもん。
あ、だから「どん底」なのか・・・。(笑)

カーテンコールではキャスト全員で「カチューシャの歌」の大合唱。
三上さんはサックス、段田さんはフルート、大森さんはオーボエ(かな?)を演奏してて、伝説の「上海バンスキング」を彷彿しました。
(三上さんのサックス姿がめちゃくちゃ格好えぇ~♪)

♪りんごの花ほころび
♪川面(かわも)にかすみたち
♪君なき里にも
♪春はしのびよりぬ


キャスト達の力強い歌声が、いまも耳に残ってます。

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コメント

いいなあ・・・

麗さん♪
いいなあ、じゅんさんとの遭遇。
私の後輩は堤さんのすぐ近くだったそうです。
今回も誰にも会わなかったなあ・・。
あ、芝居の内容と違うか(笑)。
レポ楽しみにしてま~す

みんみんさん

そーなのー!
私のすぐ目の前(推定15cm位)で、
じゅんさんの”どアップ”を見てしまいビックリしました。(笑)

えっ!えー!!
後輩さんは堤さんと遭遇ですかっ!
羨ましい♪
私は未だに堤さんと遭遇した事ないですぅ。
私服姿を見てみたいもんです。(笑)

感想、頑張って書きますね♪

感想・・

まだぁ~?
麗さんの感想、めっさ気になっておるのです♪
クビを長~くして待っておりますぞ~

ぴらさん

あら♪
期待されちゃってます?(笑)
んっと、私も早く書きたいんですよぉ~。
でも今、「49日後・・・」の感想書きかけなんで、
そっちが終わったら着手しますっ!
しばしお待ちを♪(笑)

はよ見せてね~

>麗さま
子供のころ,この手の芝居(おろしゃ国系)はまってました。チェーホフも流行ってますし…。
劇評にはお笑いに演出してあると書かれてましたが,やはりどん底でしたか。

とみさん

あらら・・・。
とみさんにも期待されちゃった♪

(おろしゃ国系)ですか。(笑)
確かに暗い、重い、救いが無いという印象ばかりですよね。
ケラさん演出によって、
暗い中でも、明るく笑えるようなシーンもありましたが、
ベースはやっぱり暗かったです。
特にラストでは”どーん”と落とされた感じが。

つい先ほど「49日後・・・」の感想を書き終えたので、
早速着手しま~す♪

待ってましたっ!

上海バンスキング!
やっぱり感じましたか!
笑える最後じゃないのになぜかほっこりするラストが
バンスキングに通じるような気がしたんですよね~

>「BIGシリーズ」の”サラ”
これだ!
松永玲子お色気シリーズなんだっけ・・・って考えてたのよ~
皿袋さん変身の途中って感じのナースチャでした(笑

ぴらさん

早速遊びに来てくれてありがとう♪
「上海バンスキング」は観た事ないんですが、
色々な噂は聞いてますからね。
なんか、そんな感じなのかなって。
笹野さんがペットを吹き、日出子さんが歌う構図が、
真っ先に頭に浮かびました。(笑)

サラに共感して貰えた!!
胸元を強調する衣装が、サラみたいだなぁって、
ずっと思ってたんですよぉー。
しかも三上さんとの絡みだったしね。(笑)

麗さん♪
そうそう、あのラストは「?」→「!!」って感じでしたよね。
錠前屋が仕事が出来なくなって、割り切った後はすごく明るくなって
木賃宿での生活が快適になったじゃないですか。
で、その木賃宿を出て自殺した“役者”。
あそこで生活している人は、あの中に浸かっていないといけないの?
とか感がさせられちゃいましたよね。
プロレタリアートって言われると取っ付きにくいけど、こういう感じで見ると
ロシア文学でも理解できるような気がしますよね。

カチューシャ

最後の合唱の力強さ、これはまたニクいですよねぇ。
希望も感じられるし、破滅してしまった者達に対する哀しみが深まったりもしたりして。
男爵の犬の物真似、ホントに上手かったっ!
そして「よぉ~しよしよし♪」と可愛がるルカーがまた面白かったでっす。

みんみんさん

ラストは衝撃的でした。
なんかね、公園で首を吊った役者の姿が頭に浮かんでしまって・・・。
希望に向かって終わるのかと思ったから、
尚更哀しく思えたんですよねぇ。

>あそこで生活している人は、あの中に浸かっていないといけないの?
うんうん。
結局は希望なんて無いんだよって、
突きつけられたような気がしちゃったんですよね。

でもラストの歌で救われました。
難しい&暗いと言われているロシア文学を、
現代の日本人にも分かりやすい芝居に仕上げたケラさんに敬意です。

とぐろさん

>最後の合唱の力強さ、これはまたニクいですよねぇ。
うんうん!
今までにも何度かこの曲を聴いてたけど、
今回ほどこんなに強く印象に残った事はなかったです。
楽しそうに唄っていたキャストも居れば、
一切笑みも見せずに一点を見つめて唄うキャストも居て。
その”ギャップ”が強く印象に残ったのかも。

男爵の犬の物真似は上手かったね!(笑)
三上さんの魅力満載で大満足です♪

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