FC2ブログ

ARAIA -クローゼットより愛をこめて-

『ビューティー・クイーン・オブ・リナーン』@渋谷PARCO劇場

白石加代子&大竹しのぶの二大女優が共演!
って事で非常に楽しみにしていた舞台、観てきたよー!

ビューティー・クイーン・オブ・リナーン
ビューティー・クイーン・オブ・リナーン

もぉ~、素晴らしかった!
15分の休憩を挟んで約2時間の舞台だったんだけど、時間が「あっ!」っという間。
その位、面白くて、怖くて、切ない作品でした。

この作品に関しては、色々と語りたい!!
てな訳で、、、続きはこちら。(長いよぉ~)

アイルランドの片田舎、ゴールウェイ コネマラにあるリナーンに暮らす母と娘。自分勝手で支配的な母親マッグは、病身を理由になにひとつ自分でしようとはせず、娘に全ての世話をさせている。娘モーリーンも負けてはいない。母の頼みをわざと無視したり、いやがらせをしたりと、二人の戦いが毎日続いている。
ある時モーリーンが出かけている間に、近所に住むレイがパーティの知らせを持ってやってくる。イングランドで働いている独身の兄パトも久しぶりに帰ってくるという。しかしモーリーンが結婚して出て行ってしまうと困るマッグは、その伝言を彼女に伝えない。ところがモーリーンは帰宅の途中、レイに出会ってその話を聞いていた。
モーリーンは新しいドレスを買ってパーティに出席。その晩、パトを家に連れて帰ってくる。
翌朝二人を見つけたマッグは激怒、そしてモーリーンに精神病歴があることを暴露してしまう・・・。(公式サイトより)


いやぁ~、この作品のテーマは暗くて重いんですよぉ。
「老人介護」と「ハイミスの結婚」という、私にも当てはまるような問題。
それなのに1幕目では母娘の攻防戦が実に面白くて、ゲラゲラと笑ってしまい、どちらかと言うと”娘寄り”の視線で見てたのですが、2幕目になるとなんだか”母親寄り”の視線になってる自分が居て・・・。
母親の気持ちも、娘の気持ちも痛いほど伝わってくる、すごい芝居でした。
それもこれも演じてた2人の女優の演技力の賜物だよね。

白石加代子さん:母親・マッグ
ば、化け物でたー! ←褒め言葉です。(笑)
暗い舞台上、ロッキングチェアに座る老婆。
次第に照明が明るくなり加代子さんの顔を認識したら、、、素直に怖かったよ。(笑)
この人は本当にすごい女優さんですね~。
なんかね、最初はすごく憎憎しいの。娘に身の回りの世話を何でもやらせて、自分では全く動かない。
口だけは達者で文句だけはガンガン言ったり、パーティーの誘いの手紙を燃やしてしまったり・・・。
娘が外の世界(特に男性)との関わりを持つ事を、極端に恐れ、阻止しようとする。
でも次第にその憎憎しさの中に”孤独”が見えてくるんだなぁ~。単純に憎ったらしいだけじゃなく、娘からの攻撃を受けてる時は可愛らしくも見えてきて、、、。
尿瓶の中身を、台所の流しに捨ててるシーンなんかは、痴呆からくる行動なのか、嫌がらせの為の行動なのか、、、(笑)
なんだか子供がイタズラしてるみたいで、笑っちゃいました。

大竹しのぶさん:娘・モーリーン
しのぶさんも最高!
加代子さんの怪演に真っ向から立ち向かえるとは、さすがしのぶさん!って感じです。
母親の面倒を看るだけの毎日で、外見に気を遣うでもなく、髪もボサボサ状態。
その昔はリナーンいちの美人と言われていたが、今は毎日の生活に疲れた風貌で色気もなし。(うわぁ~自分で書いてて耳が痛い・・・(笑))
そんな彼女の唯一のストレス発散は、母親への攻撃。
コンプラン(栄養補助剤の粉末のドリンク)をちゃんと混ぜず”粉々”のまま飲ませたり、マズいビスケットを与えたり・・・。口が達者な母親に負けず劣らずの口撃には爆笑モンでした。(笑)
黒いドレスに身を包みパーティに出掛けた時は、日常から離れ”女”に戻った時間。
すごく綺麗で、積極的だったなぁ~。(笑)
40年間守り続けたバージンを捨てる絶好のチャンスだったんだもんね・・・。

田中哲司さん:幼馴染・パド
いやぁ~今回の萌え”ポイントは哲っちゃんでした!
パーティの帰りモーリーンの家に一緒に来て、一晩を共にする。朝、ワイシャツの胸がはだけた状態で舞台に登場してきた時は、無性にドキドキしちゃいました。(笑)
母親の目の前で、スリップ姿のモーリーンに迫られ、キスをされ困惑する姿にこれまた胸キュン!(←アホです)
母親も居るし、寒そうだからとスリップ姿のモーリーンに「服を着たら?」と発言するが、「私の裸を見たくないって事なのね!」と急にヒステリックにわめき散らす。実は昨晩、二人は結ばれていなかったのだ。(男性側の身体的理由ね。)
なんかねぇ~、優しいんだか、優柔不断なんだか、次第に観てる私のほうがイライラしてきたよ。(笑)
イングランドに戻ってからモーリーンに宛てた手紙、必死に自分の胸の内を言葉にして書いていたのはいいが、なんで手紙で済ませるかなぁ。
自分に自信がない証拠だと言えばそれまでだけど、本気でアメリカにモーリーンを連れて行きたいと思ったなら、手紙じゃなくて直接言いに行けよ!って思っちゃった。

長塚圭史さん:パドの弟・レイ
黒田勇樹くんの代役で急遽ご出演。
、、、の割には、パンフレットの準備がいいなぁ~と思ったのは私だけ?
しっかり長塚氏がレイ役として記載されてて、黒田くんの”くの字”もありませんでした。
ま、いいんですけど、なんか降板の真相が気になってしまう。(笑)
で、キャスティング的に”レイ”という役柄は、やっぱり黒田くんのほうが年齢的にはイメージが合うなぁ・・・。
長塚氏の演技は悪くなかったけど、ちょっとレイの役柄の設定としては年上過ぎたかなって感じちゃいました。

パドからの手紙を燃やしてしまった母親。それを知った娘は熱した油を母親の手に垂らして手紙の内容を聞き出す。
パドが一緒にアメリカへ行こうと言ってくれた事を知り、慌ててパドの元へ向かう。
暗転後、パドと無事に逢えて後から追いかけてアメリカに行くと幸せそうに母親に語るモーリーン。母親は椅子に座り、うなだれたまま、じっと話を聞いている。
っと、椅子から倒れこみ、頭から血を流している母親。その母親の身体を踏みつけて立ちすくむモーリーン。

いやぁ~、このシーンはめっちゃ怖かった!
倒れこんだ時、後頭部がちょうど見える位置だったんですが、血がドクドクと流れてくるのが見えたのぉ。
あまりにもリアルなビジュアルに、本当に怖くなりました。

母親の葬式も終わり、自分もアメリカへ行くため荷造りをしようとしていると、レイが訪ねてくる。そこでパドは他の女性と婚約をした事を聞かされる。
しかも最後の日、パドと会って話をしていたことは、自分の妄想だと知り呆然とする。
母親の愛用していたロッキングチェアに身を深くうずめるモーリーン・・・で、幕。
きっと彼女は、美しいリナーンの田舎町で、話し相手もなく一人淋しく一生過ごしていくんだろうなぁ。

観終わった後、一緒に行った友人と「切ないね」と、互いに率直な感想を言い合ってました。
「面白かった」でもなく「怖かった」でもなく、最終的には「切ない」という感想が残るこの芝居。
罵倒をし合いながらも、わがままな母親と一緒に暮らしていたほうが幸せだったのか、孤独に一人で暮らしていくほうが幸せなのか、深く考えさせられました。
皆さんの胸には、何が残りましたか?

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

これって

頂いたチラシ束に入ってましたね。
ホント、観たい芝居のチラシばかりで嬉しい反面困っちゃいました。
どれもこれも観にいきたーい。
そんでもって観にいけなーい(≧∧≦)

きたむーさん

この芝居は、本当に良かったですぅ。
白石さんやしのぶさんの演技もさることながら、
田中哲司さんに”萌えぇ~♪”でした。(笑)

芝居のチラシは見てるとワクワクするよね!
綺麗なチラシなんかは、ずっと眺めたり、
興味のある芝居は観に行きたくなるし・・・。
こうして観劇地獄へ墜ちていくのであった。(笑)

えーっ

麗さん♪
>しっかり長塚氏がレイ役として記載されてて
マジっすか?
どこを見ても、そもそも“体調不良”としか公表
されないし、そもそも初日の1週間ぐらい前に
降板が告知されましたよねー。
ま、いっか。

>血がドクドクと流れてくるの
そうだったんですかー!見えなかった!!
さすが長塚演出(笑)。
でも、作品そのものはすごく見ごたえありました!
どうせだったら、最初からいい席を狙えば良かったです・・

みんみんさん

パンフレットはマジで準備いいなあ~って思いました。
降板理由を、アレコレ推測しちゃうよね。
“体調不良”って一番無難な理由だよなぁ。(笑)
ま、本当に体調を崩されての降板ならお気の毒です・・・。

血はねぇ~、本当にリアルでした。
私の席(4列目下手側)から見てたら、
倒れた途端に後頭部が丁度よく見えて、
髪の毛の間から、血が流れてきたのが見えました。

でもいつもの長塚氏にしては、
おとなしめの”グロさ”でしたね。(笑)

グロかったですね

>麗さま
いつのまにかばーちゃん危ないと白石さんに肩入れしてました。ばーちゃんとしてはえぐかったけれど,報復とは釣り合わないように思いました。
バートーの凡庸さがマイツボでした。普通の男が白馬の王子様に見えるということを演出しておられる長塚さんのシニカルというか密かな悪意がブラボーです。
ノンストップ観劇ラリーは,ちょっと失速し,歌舞伎は先送りと致しました。
あー明日から仕事ですが,悔いない休みでした。

とみさん

>報復とは釣り合わないように思いました。
確かにそうですよねぇ。
殺されちゃったら、たまんないですよぉ。(笑)
でも、そこまでさせてしまう程の、
長年の鬱憤が蓄積していたのかとも思えます。

>普通の男が白馬の王子様に見える
まさしく、その通りでしたね!
私もツボにはまりまくりました。(笑)
屈折した母娘関係の救世主に見えましたよ。
あの状況を変えてくれるんじゃないかと、
客席から観てて期待してました。
っが、結果は・・・でしたけど。

私も明日から仕事です。
会社行きたくねぇ~!(笑)

見応えありました

麗さま
やはりこの二大女優の競演は見応えありますね。
特に大竹しのぶさんの、あれはもう、
何なのでしょうね。
老母をもつ身としてはいささか身につまされる
部分もあり(イエ、そんなコワイことではない
ですよ)、なかなか観るのがツライお芝居でした
が、演劇としての満足度はかなり高い舞台でした。

スキップさん

もうほんと、この二大女優は何なんでしょうね。(笑)
「凄い」という言葉しか見つかりません。
加代子さんは憎たらしい反面、可愛らしいし、
しのぶさんは気の毒に思える反面、怖いし・・・。

>イエ、そんなコワイことではないですよ
うはは。
大丈夫ですよ!疑ったりしませんから。(笑)
この芝居を観た後に娘や母親の気持ちが痛いほど伝わって、
辛く、切なく感じるのは、
現代社会に通ずる問題だからでしょうかね・・・。
ま、あの母娘の関係ほど酷くないと信じたいですが。(笑)

面白コワかった~!!

>血がドクドクと流れてくるの
おお、そうでしたか。それ、私も見たかったです~。(すんません。こうゆうの平気なの。笑。)それこそ長塚ノワールの世界。
白石さん、怖いけど、コミカルなカワイさもありましたね。大竹さんのモーリーン、うぶなのか大胆なのか、わからないところが魅力でした(笑)。二人の組み合わせは迫力ありましたね。
哲ちゃん、よかったですね。この人がちゃんと王子様に見えたのは長塚演出なのか、ご本人の魅力なのか、どっち?(笑)
今回の作品は一分の隙もないほどよくできたお芝居で、私はサイコホラーとして楽しんだけど、母娘問題に重点を置いて考えると、かなり切なくてやりきれないお話だと思いますよ~。
母娘の問題は北アイルランド限定の問題じゃなく、普遍性のある問題だから面白いんでしょうね。

ムンパリさん

白石さんは、マジでスゴイです。
憎らしいんだけど、その中にも可愛らしさがあって、
なんだか憎めないんですよねぇ。
私も白石さんとバトルしてみたいです。(笑)
どちらかと言うとしのぶさんのほうが怖かったなぁ。
母親のほうが見捨てられたらという危機感があるからね。
この二人の組み合わせだったからこそ、
成し得た「恐怖&可笑しさ」だったと思います。

哲ちゃんは素直によかった!(笑)
普通の男なんだけど「王子様」に見えたもんなぁ。
あの圧迫された世界を打破してくれる、
一筋の光に見えたもんね。
ま、これは哲ちゃんご本人の魅力と言う事で。(笑)

この作品はほんとに色々と考えさせられる内容でした。
母娘問題(もしくは介護問題)として観ると、
現代社会でも避けては通れない問題です。
身に詰まされるわぁ~。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

ビューティ・クイーン・オブ・リナーン 観劇メモ

公演名    ビューティ・クイーン・オブ・リナーン 劇場     シアター・ドラマシティ 観劇日    2008年1月6日(日) 上演時間   13:00開演 座席     8列 騙されたー!!スコーンと。ぞぞぞっとしたー!! ラストシーン。 作家が計画し、演出家が仕

行く宛なき解放

開幕前。 緞帳には、何やら風景画のようなものと、May you be half an hour in Heaven afore the Devil knows you\'re dead. (悪魔に死を気づかれるより30分でも早く天国の一員となれますように)という文字。 幕が開くとこれがそのまま額に入れられ、部屋の壁にかけら

観劇「ビューティー・クイーン・オブ・リナーン」

今日2本目はコチラ。この2大女優の共演には惹かれます。公演開始直前には、出演予定だった黒田君が降板し、代役で長塚圭史になったとか。いろいろ、大変ですねえ、長塚くん。 「ビューティー・クイーン・オブ・リナーン」PARCO劇場 13列目19時開演、21時20分終演作:マ...
この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

カレンダー

05 | 2021/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

プロフィール

麗

Author:麗
芝居&ライブ&グルメ&ギャンブル好きなOLの日々徒然

月別アーカイブ

最近のコメント

カウンター

ブログ内検索

観劇予定

みんなで作るみんなで楽しむ演劇クチコミサイト、演劇ライフ