ARAIA -クローゼットより愛をこめて-

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『奇ッ怪 其ノ弐』@世田谷パブリックシアター

前作がめちゃくちゃ良かったので、今回も期待!
前回のメンバーに加え、山内くんも参加となればそりゃ行くってモンでしょう。

現代能楽集Ⅵ 奇ッ怪 其ノ弐
奇ッ怪_2

今回、チケットを譲り受けまして、、、
それがなんと最前列のド真ん中という超良席!
役者さんが本当に目の前という、最高の時間を過ごしました♪
仲村トオル、、、格好いい(笑)

てな事で、私的感想を。

死者がいる。
この世にいないものを死者と言うが、死者がいる、と私達は言う。
過去、と言い換えてもいい。かつてここにいたのだから。

それは数百年昔に生きた佳人であり、昨日のあなたでもある。
能の物語には多くの死者が現れる。
彼らは詠い、舞い、語りかける。
言い残したことがあるからだ。

奇ッ怪 其ノ弐が語るのは、「能」と「狂言」から着想を得た、言い残された言葉たち。(劇団イキウメのサイトより抜粋)


舞台上にはセットは特になく、舞台奥まで空間を存分に使っていました。
その何もない空間には朽ちた神社のお社を思わせる板間があるのみで、板間に開けられた穴からキャスト達が出てきたりしてました。
黒い衣装を身に着け、なにやら妙な動きをしている出演者の存在を気にしつつ・・・。

とある寂びれた村。
今ではこの村で暮らす人もなく、建物も朽ちている。
そこへ東京で暮らす矢口(山内圭哉さん)がやってくる。
矢口はこの村の出身で、父親はこの村にある神社で神職を務めていたが後を継がなかったことで寂びれてしまった。
しかもロクに帰ってこないまま父親を事故で亡くしてしまい、なかなか父親の”死”を受け入れられない様子。
と、そこにはホームレス風の男、山田(仲村トオルさん)が無断で住んでいる。
昔はテキヤをしていて祭の時には屋台を出し、生前の父親にはいろいろとお世話になっていたらしい。
二人で父親の話などで盛り上がっていると、村の再開発の計画を進めようとしている業者(池田成志さん)と地質学者(小松和重さん)がやってくる。
なんでもこの村にアミューズメントパークを建設して再開発をしようという計画があるらしい。
4人は世間話をしていくうちにいつの間にやら、生死をめぐる「不思議な話」をそれぞれが語り始める・・・。

この辺の展開は前作と一緒ですね。
集まった人たちで、なんとなく不思議な話をし始めていくという、自然な感じの流れで本編に入っていきました。
事故で植物状態になった息子の臓器を提供し、未だに息子の死を受け入れられずに移植者を探し求める母親の話。
うつ病を患っていた妻が自殺してしまい、病院不審に陥った男がカウンセリングのボランティアを始め、ニセ医者になる話。
路地裏で暴行を受けていた男と目があったがそのまま素通りしていまい、その後安否が気になり男の霊に付きまとわれていると思い込んでしまう話。
それぞれが、各エピソードの登場人物となり話を進めていきます。
で、今回もイキウメの劇団員たちが出演していたんですが、その中で岩本幸子さんの存在感は秀逸!
女優陣が二人しか出演していなかったこともあるんだけど、岩本さんの演技には観ていてどんどん惹きこまれていきました。
臓器移植の話では、母親役を演じていたのですが、感情移入しまくって観てしまいました。
医者に勧められるまま、安易に臓器移植を承諾してしまい後悔していた母親が、息子の一部がまだどこかで生きている事に執着してしまい、
移植患者を探し求めるんだけど、その心情表現が本当に素晴らしかったわぁ。息子役の浜田信也さんとの息もぴったりだしね♪
最後にその息子の霊から「母さん、もう大丈夫だから(だっけ?)」との言葉を聞いて、やっと息子の死を受け入れたラストは感動しちゃいました。
もちろん、もう一人の女優の内田慈さんも良かったです。

一通り、話を終え「そろそろ行こうか」と業者と学者が帰ろうとする。
「まだ危険だからもう少し待ったほうがいい」と矢口は引き留めるが、「大丈夫!大丈夫!」といい残し二人は去っていった。
実はこの村には有毒ガスが湧き出でていて、風が止まるとガスが溜まり中毒を起こすという。
このガスのせいで父親や村人は次々に倒れ、全員亡くなってしまったらしい。
引き留めるのを聞かずに、帰ってしまったが、再び業者と学者が二人の元にやってくる。
最初に登場した時の様子そのまんまで、山田に向かって悪態をつき、矢口に名刺を渡して挨拶をしている。
(!!!)この二人は、自分が死んだことに気づいていない霊だったのだ。
冒頭から出てきては妙な動きをしている人たちもまた、未だに自分の死に気づいていない死者たち。
驚く矢口だったが、彼らが霊だという事をすべて知っていた山田は、「じゃあ、オヤジさんの話をしようか」と事故のあった日の事を語り出す。

夏祭りの準備の為に村人たちが集まってきていた。
年に一度の祭とあって、宮司である父はもちろん、その他の村人たちも張り切って準備を進めている。
「村おこし」のために、村の特産物をインターネットで売ろうとか、かなり商売っ気のある宮司だったらしい。
しかも村人達からの信頼も集めていた、かなりの人格者だった様子。
祭りの準備をしながら、村人たちの近況を報告しあい、新婚ホヤホヤの新妻を紹介する青年やら、とにかく和気あいあいとしている。
(あぁ、村の人たちってみんなが顔見知りで家族みたいな感じなのねぇ~)などと、ほのぼのした気分で観ていたら突然の暗転。
次に明かりがついた時には、先ほどまでいた村人達の姿はなく、矢口だけがポツンと一人残されていた。
祭りの準備が行われていたこの日に、村人達は有毒ガスの事故に遭い、亡くなってしまったらしい。
当時のままの状態で月日だけが経ち、埃まみれになった神社。
辺りを歩き回り、足についた砂や埃を手で払う矢口はふと、先ほどまでいた村人たちの仕草を思い出し、はっとする。
終始、妙な動きをしていた霊たちの仕草が、それと同じだったのだ。

自分の存在に気づいてもらえた霊たちは、きっと成仏できたのでしょう。
そしてまた矢口も、父親の死を素直に受け入れる事ができたんでしょうね。

ふむ。
今回もまた前川さんの摩訶不思議な世界に、惹きこまれてしまったようです。(笑)

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

プロフィール

麗

Author:麗
芝居&ライブ&グルメ&ギャンブル好きなOLの日々徒然

月別アーカイブ

最近のコメント

カウンター

ブログ内検索

観劇予定

みんなで作るみんなで楽しむ演劇クチコミサイト、演劇ライフ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。