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『リタルダンド』@渋谷PARCO劇場

若年性アルツハイマーという作品のテーマに興味津々。
しかも音楽劇って事でチケットを取ったこの芝居。
早速観に行ってきました。

リタルダンド
リタルダンド


あぁ~もうね、最初から予測はしてたけど、大号泣でした。(笑)
鋼太郎さんの演技が、素晴らしい!
なんだか観てるほうも、愛おしく感じてしまって仕方なかったよぉ。

てな事で、私的感想に興味のあるかたはどうぞ。

音楽雑誌の編集長とその妻は、ワケありの新婚一年目。
やっと生活が落ちつきかけた頃、夫が若年性アルツハイマーと診断される。
妻に想いを寄せる後輩、夫と一度だけ過ちを犯した部下、
父親の再婚を許さない前妻の息子に、その性格からか妙に屈折した妻の兄。
微妙な人間関係が共鳴する不協和音のなかで、聞こえてきたメロディーは?(公式サイトより)


セットは主人公である”編集長”のマンションのリビング。
キッチンやバルコニーもあり、生活感あふれる、かなり雑然とした部屋になっていました。
会社には、なかなか出社せずこのリビングが「第二の編集部」となっているという設定で納得。

音楽雑誌「リタルダンド」の編集長(吉田鋼太郎さん)が、最近物忘れが激しい事に自ら”なんかおかしい”と気づき始めるところから物語は始まりました。
打ち合わせの約束をすっぽかしたり、打ち合わせの内容を忘れたり、簡単な地図が読めなかったり・・・。
「リタルダンド」の特別創刊号の企画があり、日々取材や記事の執筆のために二人の部下(高橋由美子さん、伊礼彼方さん)が家に入り浸っていたが、部下たちも最近の編集長の様子がおかしい事に気づき始めていた。
大物ミュージシャンへのインタビューをすっぽかされたライター(市川しんぺーさん)も、編集長の様子が気になり家にやってくる。

前妻を亡くして3年、現在の妻のようこ(一路真輝さん)とは半年前に再婚したばかりだったが、この再婚を巡り一人息子(松下洸平さん)とは、行き違いが続いていて、いまだにちゃんと話し合いができていない様子。
「母が認知症で入院することになり、それが心配で疲れがでてるのよ」と、ようこは夫の事を気遣っていたが、ようこの兄(山崎一さん)が家を訪ねてきて「おまえは誰だ!」と怒り、家から追い出してしまう事で一転。
”なにかおかしい”が”やっぱりおかしい”と確信に変わり、「病院へ連れていってくれ」と編集長自らが言い出す。
この不安な気持ちをピアノの演奏に合わせて唄っていくという音楽劇でしたが、変にシリアスになり過ぎず、メロディに乗せて唄うのが私的には良かったと思いました。

診断結果が気になり、残っていた部下とライター。
その道の名医が居るという病院から帰ってきた編集長から「やっぱりそう(若年性アルツハイマー)だったよ。」と聞かされ、愕然とする。
「名医だったら治してくれたらいいのに・・・」との言葉が、痛いくらいに胸に突き刺さりました。
自分がアルツハイマーと診断されてから、忘れたくない事を毎日のようにメモに書いて家中のそこかしこに貼り付けるようになる。
そのメモの枚数が多くなる事で、日にちが経過を表現していると同時に、病状の進行も表現してました。

編集長は、白いシャツにチノパン(だったかな?)を格好よく着こなしていて、いかにも”業界人”といった感じ。
部下演じた高橋由美子さんとは以前、「大人の関係」があったようだけど肝心の編集長のほうは、その記憶は失くしつつあるらしい。
「私とのことを編集長に忘れてほしくない」と、未だに想いを残している彼女の想いが空回りする様子が滑稽やら、切ないやら。
その先輩の事を見続けてきた、伊礼彼方さん演じる後輩が彼女に対して想いを寄せているのもなんだか切ない。(笑)
きっと、編集長とただならぬ関係だという事も、未だに好きだという事も承知の上で、自分の気持ちは明かさずに想い続けるとは・・・。

一方、せつなさとは無縁(?)なのは、ライター演じたしんぺーさん。(笑)
編集長とは大学時代の後輩ということで、ことあるごとに「バカ!バカ!」と言われ続けていたことを、いまだに根に(?)持っている。
が、この二人のじゃれあうシーンは本当に面白かったなぁ♪
毎回アドリブなんだろうけど、真剣な顔してボケ役に徹する鋼太郎さんと、そのアドリブを受けてマジ笑いしてる、しんぺーさんの様子に笑えました。

会社には病気の事は隠し、どうにか特別号の創刊実現に向け頑張っている部下たち。
しかし、家中のメモが増えるにしたがって、病状もどんどん悪化していき、次第に編集長としての仕事にも支障が出てくるようになる。
以前は、音楽や楽器の事を熱く語っていたが、最近ではそれもなくなり、新しい記憶は次々失われ、古い記憶は鮮明に覚えている状態。
そんな夫を献身的にサポートする妻を演じた一路さんと、その兄演じた山崎さんの姿もまた切ない・・・。
認知症の母親の面倒を見ている兄としては、可愛い妹が夫の介護で苦労する姿をみたくないんでしょう。
ようこに離婚するよう説得したり、介護施設のパンフレットを持ってきたり、身内なら理解できる言動だよね。
「私は大丈夫だから!」と兄の勧めを断り続けていたようこだったが、編集長がようこに向かって「めぐみ」と前妻の名前を言った時は、観てるほうも一瞬息が止まりました。
その瞬間の一路さんの哀しげな表情も本当に切なかったなぁ。

父の再婚相手であるようこの存在を無視し続けていた息子だったが、前妻の名前を呼ばれても今までと変わらず接する彼女に対して、ようやくわだかまりを解いていく。
昔、父が作詞作曲したという曲を演奏し、”頭のリハビリ”として歌わせようとするシーンはどこかほのぼのしてて微笑ましかったなぁ。
いつのまにか童謡に変わっていって、みんなで大合唱したりね。(笑)

編集長の病状がどんどんと悪化していくなか、入院していたようこの母親が亡くなる。
ずっと看病をしていた兄だったが、認知症の症状が進む母親の姿を間近で見ていて、改めて直接編集長に離婚してくれるようにお願いする。
「僕には彼女が必要だ」と言い暴れだした編集長が、握りしめていたメモの束をぶちまけてしまう。
そのメモの一枚一枚に「ようこ」の文字が。

決して忘れたくない大事な記憶。
編集長にとって一番大切だったのは、妻のようこだったんですね。

暗く、辛いテーマを題材にした作品でしたが、ラストでは温かい涙が溢れてきて止まりませんでした。
いやぁ~、良い作品を見れて満足です。

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