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『ザ・キャラクター』@2度目

丸1ヶ月ぶりに2度目の観劇をしてきました。

ザ・キャラクター
ザ・キャラクター

今回はもぉ~ラストで涙が止まらない。
マドロミの独白が胸に突き刺さってきました。
やっぱり私は、野田作品は2度観ないとダメみたいです。(笑)

てな事で、私的感想を。(長いよぉ)

1度目の私的所感はコチラから。

1度目は芝居のモチーフになっているオウム事件が、自分の中であまりにもリアルな記憶として残っているため、芝居として観られなかった私。
今回2度目の観劇で、やっと(?)冷静になって芝居として観れました。

まず語りたいのはアンサンブルのみなさん。
パイパー」の時も群衆を使って集団の怖さを表現してましたが、今回の作品ほど「集団=恐怖」を感じた事はないですね。
登場シーンで多くのアンサンブルの皆さんが、思い思いの動きでステージ上に現れた時、なんだか”気味悪さ”を感じずにはいられませんでした。
という事で、主なキャストの感想なんぞ。

宮沢りえさん:マドロミ
弟の俤(まぼろし)を追って書道教室に入り込んだ女性。
黒く長い髪で登場した瞬間から、どこか”エキゾチック”な印象で目を惹かれました。
「ロープ」「パイパー」とここ最近、頻繁に野田作品に出演してますがどの作品も重い内容ですね。
線が細いから声も弱いかと思いきや、発生方法を変えたのかハスキーな声がまた何とも言えず魅力的に聞こえます。
弟を探すために教団に入り込み、家元に気に入られ側近となるんだけど、マドロミもまた洗脳されかかっていたように見えたのが怖かったです。

古田新太さん:家元
書道教室の師範。しかし実はカルト宗教団体の教祖。
今回の役柄は野田さんからの熱いオファーがあっての事だったそうですが、、、新太くんのイメージにピッタリでした。
ってか新太くん以外にこの役を演じられる役者が思い浮かばない。
「なんか分からないけど魅力的」「子供のような素直な心を持つ」と同時に「子供ゆえの残虐な心を持つ」
そんな家元のキャラを見事に演じてました。
スーツケースに座ってキャスター転がして移動する様子は、本当に楽しそうだったわ。(笑)

野田秀樹さん:家元夫人
家元の妻の座をマドロミに脅かされ疎ましく思っている。
野田さんの”演じる女性”ってほんと怖いのよねぇ。
なんでこんなに怖く感じるんだろう。
「嫉妬」、「金」、「欲」のドロドロした感情を、表情一つで演じ分けてる様子はお見事です。
新太くんとのやり取りはアドリブっぽい所もあって、笑えました。

橋爪功さん:古神
元は書道教室の大家。今では宗教団体の幹部。
前作の「パイパー」に続いてのご出演で、今回も胡散臭い役柄でしたねぇ。
橋爪さんの存在感は抜群で、この集団の中では一番”まとも”な考えを持った人物だったのではないでしょうか。
自分でも訳が分からないうちに書道教室がカルト教団となっていき、幹部に仕立て上げられ、逃げようにも逃げられなくなっていき、追い詰められていく悲しい男でした。

藤井隆さん:会計
団体の活動に疑問を持ち始めている会計係。
舞台で拝見するのは99年に上演された「ボーイズ・タイム」以来2度目。
この時も演技が上手だなって感心したんだけど、そもそもお笑い芸人さんって芸達者な人が多いですよね。
お笑いの舞台で場数をこなしてるし、ハプニングに対してのアドリブも利くし、なんだか安心して観ていられました。

田中哲司さん:新人
熱心な信者で家元に気に入られる新人。
田中さんも「パイパー」に続いてのご出演ですね。
教団の教えを疑うこともせず、教祖の言葉に従順な新人信者という役を見事に演じてました。
この新人の様子を見ていると、信者になっていく様が手に取るように分かって、”薄ら寒い”感覚に陥りました。

銀粉蝶さん:オバちゃん
書道教室に入ったまま帰って来ない息子を探し教室を探る母。
開幕直前に大怪我をされ、降板か?と心配されましたが、7月1日(ちょうど私が1回目の観劇をした日)から復帰されてたようですね。
1日に拝見した時は、大きな声を出す為に息を吸い込むのも痛々しそうだったのですが、今回はそんな感じには見えず元気に舞台に立ってらっしゃいました。
「女優魂」を見せ付けられましたねぇ~。
息子を探して教団に潜り込もうとしたり、被害者の会を作り、マスコミを利用して粉砕しようとしたり・・・。
とにかく息子を助け出したい一心で活動する姿に「母の愛」を感じました。

美波さん:ダプネー
アポローンからの求愛から逃げる為、月桂樹に姿を変えるギリシア神話の神。
舞台で拝見するのは2008年の「かもめ」以来です。
今回もまたなんだか難しい役どころで、ギリシア神話の中の登場人物。
ひたすらアポローンから逃げていく様子が、いつしか教団から逃げる信者となり・・・。
薬によって殺され(月桂樹に変身させられ)てしまう、信者同士でのリンチによる被害者。
ギリシア神話とオウム事件が合致した瞬間、鳥肌立ちました。

チョウソンハさん:アポローン
ダプネーに愛情を抱き、追い続けるギリシア神話の神。
春琴」以来、舞台で拝見しました。
身体能力の高い役者さんですねぇ~。
この日は、ダプネーを追いかけて動きまわるうち、勢い余って舞台から客席に転げ落ちてました。(笑)
このアポローンこそ、マドロミが探し続けていた弟。
筆一本で世界を変えると言っていたジャーナリストが、傘一本で人生を変えてしまった”幼い”信者。
その顛末がショックでもあり、悲しくもあり・・・。

池内博之さん:アルゴス
全身に百の目を持ち、時間的にも空間的にも死角が無いギリシア神話の神。
ヘンリー六世」以来の舞台拝見です。
今回の役はまた摩訶不思議な存在でした。
”目”が沢山描かれた全身タイツのような衣装で、マドロミにとって天使なのか悪魔なのかよく分からない。
この彼こそがオバちゃんが探し続けていた息子。
そしてアポローンにリンチの末、殺された信者の1人でもあった。
ラストで母親の腕に抱かれて息絶えるシーンが、すごく印象に残ってます。

「キャラクター(character)」
[1] 性格。人格。持ち味。
[2] 小説・漫画・映画・演劇などの登場人物。
[3] 文字。記号。

今回は明らかに[3]の意味ですね。
町の小さな書道教室で書かれた沢山の文字。
その文字はそれぞれに意味を持ち、やがてその文字が主張を始める。
”人が言う事は信じる”
でもあまり信じすぎると、周りが見えなくなり善悪の判断がつかなくなるんでしょうね。

ラストシーンでマドロミが声を張り上げて独白するシーンでは、なぜだか自然と涙が溢れてきてしまいました。
そんな中、冷蔵庫の中から現れた家元が言った一言。
「スクール水着がないんだよ」
あまりにも幼稚で救いのない言葉に、怒りを通り越して逆に悲しくなりました。

この事件を題材にした、野田さんの勇気に改めて敬意を表します。

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コメント

やっぱり

あんまりわからずに終わりました。。
ボケ~っとしてたら置いてかれる~

>野田作品は2度観ないとダメみたいです
私もそうなんだけど・・・2度めはWOWOWで済ませます(笑)

ぴらさん

私も毎度のことですが、、、
野田作品の場合、1度目は内容を追うのに精一杯になってしまい、
2度めに観てやっと色んな事を感じる事ができるという、
なんだか非効率なサイクルになってます。(笑)
それだけ舞台から得る情報量が多いんだろうなぁ。

ほんと感想書くのが難しいっす。

生で観るのが一番やけど。。

東京までは・・・・・と躊躇してしまう私(^_^;)
けど!!!
ナマじゃないけど、wowow放送決定した模様。。vv
ふるちん見れるっす♪

きばりんさん

確かに舞台はナマがいいけど・・・。
wowowで放送するんですね!
ぜひご覧になって感想聞かせて下さい。

色々な意味で、心に残る作品になりますよ。(笑)

TB、コメント有難うございますm(_ _)m

麗さんの2回目観劇の感想アップをお待ちしていました。早速TB返しもさせていただきましたm(_ _)m
私が野田秀樹に真面目に取り組むことにしたのは彼の世界に飛び込むための慣らしとして古本屋で買ってきた『おねえさんと一緒』というエッセイ集の巻末の解説の井上ひさしの文章に納得させられたからです。その上でここ数年しっかりと観てきて、井上ひさしが評価したポイントがまさにそうだと思いながら堪能させてもらっています。
実際に筆を使って舞台で字を書くという演出は、井上ひさしの「道元の冒険」を彷彿としていました。世の矛盾について突詰めていって精神的におかしくなってしまうくらいの危険な世の中だというメッセージ性も共通するものがあるとも思えます。
社会不安の中で精神的な拠所を得ようとして間違ったリーダーを盲信狂信して集団ヒステリー状態になっている恐ろしさがよく描かれていました。「理性」を磨きあってお互いに支えあう集団がつくれれば、反対にものすごくプラスに働く集団ができます。めざしたいのはそちらです。
今回のアンサンブルにいた女優さんが今度のNODAMAP番外公演「表にでろいっ」でダブルキャストで抜擢されてますね。「パイパー」のプログラムにあった勘三郎との対談で共演を約束していたのを実現した企画だと思います。あらすじをチェックしたらまるで勘三郎へのあて書き的なキャラクター設定で笑えました。なんだかんだとチケットがとれてしまったので、野田秀樹の作品チェックが続きます(^^ゞ

ぴかちゅうさん

コメント&TBありがとうございます♪

>『おねえさんと一緒』というエッセイ集・・・
ほぉ~。巻末の解説で井上ひさしさんがコメントを寄せてたんですか!
ぴかちゅうさんを納得させたコメントが、
一体どういう内容だったのか非常に気になります。(笑)
今度機会があれば教えてくださいませ♪

>実際に筆を使って舞台で字を書くという演出
これはなかなか面白かったです。
「袖」が「神」になるあたり、(なるほどぉ)と感心してました。
ラストでマドロミの弟が着ていたジャケットの背中にも、
同じような仕掛けがあり「幻」が「幼」に変化した時は鳥肌立ちました。

>間違ったリーダーを盲信狂信して集団ヒステリー状態・・・
まさにあの集団のことですよね。
外から客観的に見ていれば「誤り」だと気付いても、中にいると気付かない。
もしくは気付いていても「誤り」だと言えないのは、日本人の特徴なんでしょうか?
(その昔「NOと言えない日本人」という本が売れましたね。)

今回のアンサンブルも個性的でとても効果的でしたね。
色々な動きが気味悪く感じてしまいました。
集団の怖さも表現していたと思います。
「表にでろいっ」も楽しみですね♪
演出家と役者という共演は何度か経験されてますが、
同じ板の上で芝居をするのは初めてですもんね!
しかも夫婦役だし。(笑)

私も野田作品チェックが続きます♪

ふたたび

コメなんぞ。。

麗さんの感想読んで、いろいろ理解できたよ。
なるほどねぇ。。。

やっぱり全然わかってなかった自分(笑)

麗さま
野田さんの作品は、メッセージはストレートなのですが
思考回路の複雑さ(笑)や、脚色のスキルの高さもあって、
なかなかすべてを理解するのは難しいといつも思います。
私自身にとっても当たりハズレの落差が激しい(・・ハマリ
ハマラズ、という方が正しいかも?)のですが、
この「ザ・キャラクター」は好きな作品の一つです。
もう1度観るともっといろんなことを感じられるかな、とも
思ったのですが、この作品は、他の作品にないシリアスさ、
重さがあるので、続けて2回観るのはちょっとヘビーかな、とも。
・・・でも麗さんのように2回観て理解も感動も深まるので
あれば、やっぱりもう1度観てみたかったです。

ぴらさん

>麗さんの感想読んで、いろいろ理解できたよ。
いやいや。
私も野田さんが訴えたかった事の1/10も理解できてないと思うぞ。(笑)
ってか情報量多すぎなんだもん。

wowowで放送あるそうなので、
もう一度見て、更に理解を深めたいですね。(笑)

スキップさん

>思考回路の複雑さ(笑)や、脚色のスキルの高さ・・・
そうなんですよね!
だから毎回、1度観ただけでは理解できずに、
2度、3度と観たくなります。
ま、複数観たからと言って私が全て理解できるかっていうと微妙なんですが。(笑)
でも観る度に自分自身の受け止め方が変わるのも、
野田作品ならではだと思います。

>この「ザ・キャラクター」は好きな作品の一つです。
スキップさんはお気に召しましたか!
私はどちらかというとダメでした。
ダメというよりは「重過ぎて観ててツライ」と言ったほうがいいかも。

>続けて2回観るのはちょっとヘビーかな、とも。
はい。
まさにその通りです。
でも色々な言葉遊びや、漢字遊びは感心しきりで、
見逃した(聞き逃した)言葉を、もう一度ちゃんと感じたいとは思います。

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