ARAIA -クローゼットより愛をこめて-

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『プランクトンの踊り場』@赤坂RED/THEATER

昨年、「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」と「狭き門より入れ」を観て、そのストーリーの面白さに惹き込まれた私。
そして脚本を書いていた前川知大さんの作品に興味深々。
って事で、前川さん自身が作・演出をしている「イキウメ」という劇団の本公演を観てきました。

プランクトンの踊り場
プランクトンの踊り場

観に行ってよかった!
とにかく面白かったよぉ。
やっぱりストーリーが面白いし、小劇団とはいえクオリティ高くて驚いた。
補助席まで一杯になるほど観客も入ってて、今、一番人気のある劇団なんじゃないかしら。

ってな事で、詳細感想を。(長いよー!)

例えば、
私は空の箱を指差し、その中にシュークリームが5つ入っていますと言う。
「どうぞご自由にお食べください。」
彼は何の疑いもないように、箱に手をかける。
もしその中にシュークリームが無いとしたら、それは疑り深い彼のせいだ。

例えば、
目をつぶって髪を洗っていると、なにかの気配を感じる。
狭いユニットバスの中、私の他にもう一人いるような気がする。
一人? 心の中でそう言った瞬間、気配は人の形になる。
濡れた黒髪、青白い肌、女、
私の中の紋切り型なイメージが、その幽霊を具体的に彩っていく。
幽霊? そう言った瞬間その人は幽霊以外の何者でもなくなってしまった。
私の記憶から引き出されたその幽霊は、
私が目を開くのを待っている。

思い込みがかたちになる、記憶の踊り場。(公式サイトより)


まず特筆すべきはセットと無駄のない舞台転換の美しさ。
セットと言えるものは舞台奥にある大きな壁にいくつかのドアが付いているものだけ。
これが回転扉のように反転し、斜めに区切って場面を変えていく。
その他の小道具(椅子やテーブルなど)は出演者たちが流れるように配置していき・・・。
もうね、場面転換も芝居の一部となってるんですわ。
わざわざ暗転して転換する芝居もあるけど、こうして”見せる転換”は観客の集中を途切れさせないから個人的には好きです。
これだけで「芸術」だって思っちゃいましたよ。
いやはや、恐るべし。

次にやっぱり脚本!
これがまたぐいぐい惹き込まれていく面白い内容なんだなぁ。
キーワードは3つ(?)あって、「パワースポット」、「ドッペルゲンガー」と「情報(記憶)」って感じかなぁ。
最初、「ドッペルゲンガー(※)」っていきなり言われても「?」って感じでしたが、まあ内容的になんとなく分かったというか。(笑)
(※)自分とそっくりの姿をした分身。自己像幻視。
あとは自分の思いこんでいる情報(記憶)が実際に「具現化」していくという面白さと恐怖。
その具現化した物や人物の処理方法に(そうきたかー!)っと感心しきりです。

冒頭、とある空き地に集まっている3人。
大きな石を運んできて、紙垂(しで)の付いた注連縄(しめなわ)を石に巻きつけてそれらしく見せようとしている。
この空き地に神様がいる訳ではないけれども、こうやって偽物の神様を置くことで、不法投棄のゴミは減り、町行く人は皆、そこに神様がいると思い込んでくれる・・・。

場所はとあるお店。
新しくレストランを開こうとしていたが、コックが体調を崩してしまい開店が危ぶまれていた。
そこへやってきたのは要。
離婚しようとしている旦那が店に入っていくのを見て追いかけてきたとのこと。
じつはこのお店のある土地には不思議な力があり、強く願うとその思いが具現化して物体として現れるという。

キャストについて簡単な感想を。
伊勢佳世さん:要
夫と離婚しようと決意して一人実家に戻ってくる。
要の実家は資産家で、住んでいたマンションの家賃は親が支払ってくれているが、その家賃口座のお金を滋が使い込んでいたという。
夫に追いかけてきて欲しいという願望から、夫の分身を作り出してしまった張本人。
可愛らしい女優さんですねぇ。
表情がクルクル変わるのが、とても分かりやすくて好印象です。
兄との会話がめちゃくちゃ面白かったなぁ。
「アマゾンって、、、誰よっ!」ってね。(笑)

浜田信也さん:滋(要の夫)
妻に愛想を尽かされて出て行かれた夫。
要の願望により自身が分身化してしまい、不思議な現象に巻き込まれていく。
いやぁ~、1人2役(のちに3役)という事で、大変だったでしょうね。
でも役の切替がお見事で、ジャケットやネクタイを替えることで観客にも分かりやすくしてくれてました。
浜田さんってなんだか、、、チュートリアルの徳井さんに似てません?(笑)

安井順平さん:要の兄
働きもせず、毎日ぐーたらな生活を送っている兄。
離婚をすると言い出した妹が出戻ってきて、不思議な現象を解明していくが・・・。
いやぁ~、このお兄ちゃんのキャラが最高!めちゃくちゃ面白かったわぁ♪
安井さんってお笑い芸人さんなんですね。
さすが!笑いの「間」が絶妙で、芝居もイケてて上手いし、かなり良いです!!
膝丈パンツに黒ブチ眼鏡という衣装からか、私の席からはTOKIOの”国分太一くん”に見えて仕方なかったです。(笑)

要の”夫に追いかけてきて欲しい”という願望が生み出したもう一人の滋は、要の記憶しか持っていない。
一方、要が出て行ってからいつもと変わらずに東京で働く滋は、要の記憶が抜け落ちていて全くない。
この2人は全く同じ時間を、別々の場所で生きていて、既にそれぞれに違う記憶を持っている。
2人を正常に合体させるためには、重複した余分な記憶を排除する必要があるという。
そのために、2人目の滋から要以外の記憶を全て抜き取った、3人目の滋を作り出そうと兄が言い出し・・・。
いやぁ~、ドッペルゲンガー(同一人物/分身)というよりは、2人合わせて、やっと1人の人間になるという発想が面白いなぁって思いました。
しかもさらにもう一人を作り出すとは!
1人目と2人目の合体は無事にできたものの、3人目の滋は実体として残ったまま。
この3人目は単なるデータだから殺してしまおうと兄が言い出すが、人間の形をしているからどうにも抵抗が。
所詮、CD-ROMと同じ「情報」、生身の人間とは違うと理解していても、、、出来ないよねぇ。
すると要が「情報じゃない!記憶よ。記憶はいつか忘れることができるから。」と、滋を忘れる事ができればこの3人目は自然に消えるだろうと言う。

いやぁ~、こういう結末になるとは思わなかった。
まあ殺して「TheEND」っていうのもどうかと思うけど、これってどうなのかなぁ。
旦那と同じ形をした物体(あえて物体といいます)が、身近に居たら忘れる事なんてできないんじゃないかしら?

とにもかくにも、前川さんんの作品はSFちっくでもあり、現代的でもあり。
「初イキウメ」の観劇は大満足なものとなりました。
次回公演にもぜひ観に行きたいと思います。

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

よかったあ

麗さん♪
麗さんも興味を持っていたとは知っていたものの
結構無理やり?先行予約案内を渡したりしたものだから
面白くなかったらどうしよう・・。
でも私は面白かったしな・・・と
ちょっとドキドキしておりました。
やっぱり満席でしたか!!チケット代安いのに、ストーリーも含めて
充実度が高いですよね~。また詳細の感想お待ちしています!

みんみんさん

いやいや、色々と情報を教えてくれて感謝してますよ!
きっと自分では面倒になってロクに情報収集せずに、
スルーしてたかもしれないし。(笑)

補助席まで満席でしたねぇ~。
初めて「イキウメ」の舞台を観ましたが、
脚本も面白いし、役者さんも上手かったし、かなり惹き込ました。

感想、頑張って書きますね!

やっぱり

麗さん♪
>まず特筆すべきはセットと無駄のない舞台転換の美しさ。
こういうのが楽しめるのは舞台ならでは!ですよね。
シンプルな舞台が劇場とマッチしてました。

>身近に居たら忘れる事なんてできないんじゃないかしら?
うん、確かに。その間に愛着が湧いてきたり・・とかね。

イキウメはいま、とてもお値打ち感の高い劇団ですよね!
某○○○○○ボックスも“不思議は話”を扱っているのに
私は受ける印象が違うんですよね~、まったく。
秋の公演は短編集みたいなので、私はパスの予定ですが
また必ず観ます~!

みんみんさん

>まず特筆すべきはセットと無駄のない舞台転換の美しさ。
>シンプルな舞台が劇場とマッチしてました。
ほんとだね。
お金をかけた豪華なセットもいいけど、、、
シンプルなセットで、観客の想像力をかきたてるのもいいよねぇ~。
私は後者のほうが好きだわあ。(笑)

>イキウメはいま、とてもお値打ち感の高い劇団ですよね!
言えてる!(笑)
お得感満載ですわ♪
色々な意味で”刺激”される劇団です。

あ、、、某劇団の話を出しちゃいましたね。(笑)
どちらかというとファンタジー系だもんね。
”刺激”というよりは”癒し”かなぁ。
ってか私は、1回しか見た事ないけど。(笑)

>秋の公演は短編集みたい
あ、そうなんだ。
どうしよっかなぁ~。
日程合えば観に行ってみようかな♪

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

観劇「プランクトンの踊り場」

友人とランチをした後向かったのはRED/THEATER。昨年から観はじめたイキウメの公演を観るのが目的です。(そのために1泊したんだもんね~)補助席も出ていましたし、席は満席の様子。(元々小さな劇場ですが) 「プランクトンの踊り場」赤坂RED/THEATER6列目、13:05開演、...
この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

麗

Author:麗
芝居&ライブ&グルメ&ギャンブル好きなOLの日々徒然

月別アーカイブ

最近のコメント

カウンター

ブログ内検索

観劇予定

みんなで作るみんなで楽しむ演劇クチコミサイト、演劇ライフ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。