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『春琴』@世田谷パブリックシアター

昨年初演を行い、非常に評判の高かったこの芝居。
ロンドン公演を経ての再演です。

春琴
春琴

本当は観る予定がなかったこの芝居なんですが、、、
急遽、当日券を求めて観に行きました。
っというのも、本日の終演後に行われる”バックステージツアー”に参加できる事が決まったから!
まあ芝居を観ていなかったとしても、劇場の裏側を見れるだけでも楽しいと思うけど、
どうせなら上演中の作品を観ておいたほうが、より楽しめるだろうという考えから。(笑)
それに評判良かったしね♪

いやぁ~、芝居観てよかった!
目や耳、そして肌で色々な感覚を得られる素晴らしい舞台でした!!

私的感想にご興味のある方はどーぞ。(ネタバレあります)

薬種商の娘、春琴は、9歳の時に失明。以来、音曲を本格的に学ぶようになる。
春琴の付き添い人として仕えていた佐助も、やがて弟子として春琴から三味線を学ぶようになり、2人の関係はより一層密接したものとなっていった。
音曲の師匠として佐助とともに暮らす春琴はある日、その美貌と高慢さゆえに、自らの顔をひどく傷つけられる憂き目に遭う。
そして佐助はそんな春琴を見て、とある決心をするのであった。


冒頭でも言いましたが、本当に素晴らしい芝居でした。
今回は照明が本当に素晴らしく、光の陰影を表現し、全体的に薄暗い照明の中演じられたこの芝居は、盲人の世界を体現したかのよう。
目での視覚がおぼつかない中、逆に耳から聞こえる様々な音を敏感に感じる事ができました。
舞台上のセットも大きな仕掛けはなく、畳や角材といった小道具を使っての場面転換はお見事。
しかも全部出演者たちが行っていて、無駄のない流れるような動き。
三味線の生演奏に、浄瑠璃人形をつかって主人公の幼年期を表現した試み等、本当に日本美を表現するに相応しいエンターテーメントに仕上がってました。

深津絵里さん:春琴
深津っちゃんの魅力満載!
まずね、なんと言っても驚いたのは人形と一体化した動き。
幼年期の春琴は人形が演じてるんだけど、その人形を操っていたのは深津っちゃん。
そして台詞は彼女が演じていたんだけど、小生意気で幼い子供ながらも威厳にあふれた春琴の声が凄くてねぇ・・・。
以前、野田地図で観た「半神」の時の声を思い出しちゃいました。
ケラケラと笑う声が妙に耳に残ってます。
そして成人してからの春琴は自らが演じていたんだけど、気位が高く、傲慢な態度は絶品でした。
盲目というハンデを追いながらも、持って生まれた美貌と、音曲の才能を活かしている。
逆に言えば盲目だからと同情される事を嫌い、虚勢を張っていたのかなぁっと思ってみたり。

下馬二五七さん:晩年の佐助
春琴に対し常に忠実に仕えた手曳きの丁稚。
なんなんでしょう!この存在感は。
芝居が始まった時、黒のスーツ姿で登場したんですが、スーツを引き抜き着物姿になった瞬間、舞台上には確実に佐助が存在してました。
舞台中央の座布団にチョコンと座り、目を瞑り、特に多くのセリフを言う訳ではなかったのになぁ。
「こいさんの足はちょうどこの掌に乗るほど小さく可愛らしかった」というセリフが妙に印象に残っています。

チョウソンハさん:青年の佐助
丸刈りの頭が似合ってましたねぇ。
それこそ青年期の佐助は”M”の境地。(笑)
春琴から言葉汚く罵られ、殴られ、虐げられ、、、
それでも忠実に仕えたのは、単に主人と丁稚、はたまた師匠と弟子という関係性を超えた”愛”しかも”マゾヒスト”という性癖ゆえのことなのかな。
印象的なシーンは数々あるんだけど、私的に一番印象に残ったのは春琴との体の関係を結んだ時のシーン。
人形の頭、手足、胴体がバラバラになったパーツを動かして表現していたんだけど、これが妙にエロチシズムを感じてしまいました。

立石涼子さん:ナレーター
現代と春琴の時代を結ぶ、ナビゲーター役とでもいいましょうか。
基本的には彼女の朗読によりストーリーが進む形なんですが、このナレーターの使い方も素晴らしかった!
「春琴抄」の話をナレーションしているという設定だったんだけど、途中何度か天の声とのやりとりがあったりして、その掛け合いが面白かった。
年下の不倫相手との関係を清算しようとしている立石涼子(役柄的にね)。
ナレーションの仕事の合間に、彼に携帯電話で話したりするんだけど、「私ってあなたにとって生理的必要品?」というセリフが妙におかしいやら、ドキっとするやら・・・。(笑)

就寝中、春琴を恨む何者かによって顔に熱湯を掛けられ、大火傷を負ってしまう。
醜く変わった顔を、佐助にだけは見られたくないという春琴。
その言葉を聞いた佐助は自らの目に針を刺し、失明させてしまう。
「お師匠様、私は”目しい”になりました。もう一生お顔を見ることはできません。」と言うと、春琴は「痛くなかったか?」と初めて優しい言葉を佐助に投げかける・・・。


なんかね、色んな思いが自分の中でグルグルしちゃって混乱してました。
まあ春琴も佐助の事を愛していたんだろうけど、主人と丁稚(もしくは師弟)という関係ゆえ、プライドもあるし、素直に感情を出せなかったのは理解できる。
好きな男じゃなければ自らの体を許し、何度も妊娠したりしないと思うしね。
自分の変わり果てた姿を、好きな人には見られたくないという気持ちも十分に分かるし・・・。

一方の佐助の気持ちが、私からするとなんだか痛々しくてねぇ。
”M”気質ゆえ、虐げられる事に喜びを得ていたのはいいとして、愛する人の美しい姿だけを記憶に留めたいがために、自ら目を潰す行為が・・・ねえ。
盲目となり、愛する人と同じ境遇になった事に喜びを得ていたのかなぁ。
二人は互いの感情をさらけ出し、私達観客に抱き合う姿を初めて見せるんだけど、このシーンで涙が止まらなくなっちゃいました。
ん~、これが究極の愛!なのかなぁ~?(笑)

終演後、原作本を買ってしまいました。
で、その日のうちに読了してしまったのですが、、、
佐助の心情が、少し理解できたかも!?

とにもかくにも、素晴らしい舞台だったことは事実!
この芝居を観れて、本当に良かった!

さて、、、いよいよバックステージツアーです。(長くなったので別記事で書きます。)

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コメント

こっちも書いた~

あんまりすごい舞台過ぎて
どう書いていいか。。。

ごまかしごまかし書いちゃった^^;

百恵ちゃんの映画しか見たことないけど
あの映画はゆるかったのねぇ。。。

ぴらさん

この作品、凄かったね!
あまりの評判で、すぐに再演されたのも頷けるよぉ。
観に行って本当に良かったぁ~♪

>あの映画はゆるかったのねぇ。。。
あ、そうなんだ?
最近また、映画化されたよね。
舞台のイメージ壊したくないから私は見ないけど、、、
ぴらさん見てみる?(←人任せ)

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§ 春琴

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世田谷パブリックシアターで「春琴」を観る

はじめに。 私がこの素晴らしさを 人に伝えるには あまりにも 言葉が足りないのです。 湯気、水の音 ふすまの音 自販機、畳の埃 ペットボトル 紙、文楽、黒子 そこにある日本の すべてが逆に新鮮で 闇に映え消えてゆく。 ...
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