ARAIA -クローゼットより愛をこめて-

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『パイパー』@渋谷シアターコクーン

2009年、観劇始めの作品は、、、

パイパー」だよー!
パイパー

思えば、2005年、2006年、2008年の1月には、野田地図の芝居を観てるよ。
2007年は「ロープ」を上演してたけど、、、1月には行けなかったのよねぇ。

っで今回の作品も凄い
新年早々、色々と考えさせられるし、泣かされたし、とにかく”凄い”としか言い様がないです。
ラスト近くの展開は先読みできちゃったんだけど、、、
それでも役者の演技の素晴らしさで涙が止まらなくなってしまいました。

主役の2女優の演技は、本当に圧巻でした!

てな訳で、、、私的感想なんぞ。(めちゃくちゃ長いよぉ!)

1000年後の火星で、何が起きていたのか?
火星は人類の憧れであり、希望の星だった。その初の火星移住者たちのあふれんばかりの夢が、どのように変貌を遂げていくのか。そして、人々と共に火星に移住した「パイパー」なる生物? 機械?人間? もまた、人類の夢と共に変貌を遂げる。
そして1000年後の火星。その世界を懸命に生きる姉妹たちがいた・・・。


またもや野田作品に、世界の情勢が追いついてきた!(笑)
以前、「オイル」を上演した頃、時同じくしてイラク戦争が勃発し”戦争”というものがリンクしていった事がありましたが、、、
今回の大きなテーマは”数字”。
アメリカの某大手証券会社が倒産し、世界的な大不況に陥っています。
TVニュースでは毎日のように株価の暴落が伝えられ、失業者の人数やら、生産量のカット率やら、数字!数字!!数字!!!
もおね、本当に「怖い」という言葉しか出てこない・・・。
パンフで野田さん自身も書いていた「自滅していく幸せ」ってなんなんだろう?と考えさせられてしまいました。

舞台上はビニールで作られた無機質なイメージ。
ここは火星のストア。
ショッピングカートがあり、床にはビニール製の小物が散乱している。

まずね最初に感じた事は、50名ほどのアンサンブルの迫力!
このアンサブルの人たちのダンスがあったんだけど、これだけでちょっとウルウルしちゃいました。
私、群舞に弱いんだった・・・。

宮沢りえさん:フォボス
気が強く、口も達者で父親をも説き伏せるような女性。
父親の”妻”、妹の”母”のような存在だが、行方知れずになっている、
かつて愛した男の帰りを信じて待ち続けている。
いやぁ~、もうお見事の一言!
前回観た「人形の家」でのノラのようなお人形さん的な可愛らしさはどこへやら。(笑)
”下町の母ちゃん”的なたくましい女性を演じていましたね。
割烹着を着て、三角巾をかぶり食堂のオバちゃん姿も似合ってたし。
で、私が一番凄いと感じたのは、急に4歳の子供を演じた時の豹変っぷり!
これには、ただただ驚くばかり。
いやぁ~、本当に素晴らしい女優さんですねぇ。

松たか子さん:ダイモス
世間知らずで”温室育ち”といった感じの女性。
男性との恋愛経験もなく、純粋な心の持ち主だが、色々な事を「知る」事で次第に変化していく。
まずね、鉄腕アトムのような髪型に驚いた。(笑)
でも意外と似合ってて、可愛かったなぁ~。
っで、松さんもまた素晴らしい!
りえちゃんとの息もぴったりで本当の姉妹のようでした。
で、これまた芝居の終盤で、母親の若い頃を演じるんだけど、この演技が圧巻!
特に”あのシーン”が・・・。
これについては、後で語ります。

橋爪功さん:ワタナベ
二人の姉妹の父親で、妻を早くに亡くし男手で育ててきた。
今は巨乳の愛人に夢中で、愛人とその息子を一緒に住まわせようとしている。
橋爪さんもお見事でしたねぇ~。飄々とした演技がいいんだよなぁ。
最初はトボけた演技で面白かったんだけど、次第にワタナベの本性(?)が見えてきて、緊迫感が。
なんか、”訳あり”の怪しい役柄を演じさせたら天下一品ですね。

大倉孝二さん:キム
ワタナベの愛人の息子で8歳。
天才的な記憶力を持っていて、ワタナベと一緒に火星の”記憶”を解き明かそうとしている。
いやぁ~いつもの大倉くんですわ。(笑)
クネクネ、ヘナヘナの演技は健在!
子供なんだけど、急に大人のような賢い一面を見せたりして。
劇中、火星の地名を言う長いセリフがあったんだけど、見事に言い切ってましたね!
ま、その地名が正しいのかどうかは私には分かりませんが・・・。

火星には”パイパー”というロボットのような生き物が居て、住民達の幸福感を”パイパー値”という数値で表しているが、「8888」になった時、無限の幸福が待っているという。
人間とパイパーは仲良く共存し、パイパー値も順調に上がっていったが、火星で初めて起きた殺人事件によりバランスが崩れ始める。
温厚だったパイパーは次第に暴徒と化し、人間を脅かす存在になっていった。


このパイパーというロボットを演じたのは近藤良平さん率いるコンドルズ。
腕にパイプのような輪っかをつけた不思議な生き物でしたねぇ。
で、ごめんなさーい!
終演後にパンフで見るまでコンドルズが出演していた事を失念しておりました。
てな訳で、誰がだれだか、さっぱり・・・。
近藤さんも認識できませんでした。

ワタナベは人間の鎖骨に埋め込まれた”おはじき”を死者から取り出し収集していたが、それは埋め込まれた人間の記憶を記録しているという。
”おはじき”を鎖骨にあてると、その記録が見えるといい、キムに火星での初期の記憶(幸福だった頃)を覚えさせようとするが、中期(荒廃が始まった頃)の記憶に及ぶと必死に止めようとして・・・。


このおはじきが、過去と現在を繋ぐツールになってるんだけど、箱に入ったおはじきを揺らして波の音を表現したりして、発想が面白かったです。
フォボスが持っていたのは母親のおはじき。
このおはじきに刻まれている記憶は、ワタナベが隠したかった記憶。
そして幼かったフォボスのトラウマともなっている記憶。
そのおはじきにより忌々しい過去の記憶が噴き出してしまう。

ここから怒涛の涙腺破壊ポイント炸裂でした。
まずは宮沢&松の怒涛のセリフの応酬シーン。
”韻”をふんだセリフの数々、二人の”凛”とした声がシーンと静まりかえった劇場内に響いてました。
このセリフを聞いて、壊れていく街(っていうか地球)の光景が想像できてしまってダメだったわぁ。
今となっては細かいセリフは忘れてしまったんだけど、その時は言葉たちを頭で聞いていた訳でなくて、ダイレクトに胸に響いてきたんですよぉ。(なんだか上手く言えないけど)
自然と涙が溢れてきてしまって、自分でも驚きました。

ワタナベが隠したかった記憶、それは生きる為に人肉を喰らい始めた過去。
そして暴徒と化したパイパーは基本的な心は忘れていなかった。
人間を「幸せにしたい(=死体」思いだけは・・・。
幼いフォボスは何のためらいもなく、差し出された食べもの(人肉)をたべる。
しかし母は、、、
このシーンでの松さんが圧巻!!!
生きる為に食べる。でもそれは人間としての倫理に反する。
肉を掴んだ右手を必死に止める左手
もぉ~ね、この葛藤の演技に涙腺ダムは決壊しました。(笑)

ラスト。
ストアを出て行くダイモスだったが、すぐに戻ってくる。
「ペールギュント(=フォボスの恋人)が帰ってきたよ」と告げるために。
荒れた火星の地に、綺麗な花が咲き、、、
これは希望の花なのか?それとも弔いの花なのか?

もう一度観に行く予定なので、さらに細かい所を見れたらいいな。
(ペールギュントについても、勉強してから観に行きたいと思います)

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コメント

ホントに!!

素晴らしかったですねー。
今、麗さんの感想読んだら、「凄いとしか言いようがない」って、私と全く同じ事書いてあったから笑っちゃったよ。
でも、もうそういうしかなかったよね。凄かったよね!

>主役の2女優の演技は、本当に圧巻でした!
私、二人のセリフのところ、オペラグラスでガン見してたんだけど、もう手がふるえちゃってオペラグラスがグラグラして焦点が合わなかった程でした。
もう1回観たかったー!

きたむーさん

も~、自分のボキャブラリーの貧困さを恨めしく思いますが、、、
ほんと「凄い」としか言えないですよね。
新春早々、素晴らしい作品を観れて感激でした。
私はあと2月の終わりに、もう一度観に行くので、
さらに進化した作品になってると思うので楽しみです♪

ラスト近くの、二人の怒涛のセリフの掛け合いあたりから、
涙腺破壊されてました。(笑)
なんかね、その光景が頭に浮かんじゃって・・・。
2月まで待てないから当日券狙いで、さらにもう1公演追加しようかな。(笑)

2大若手美形女優!

いやぁ~、ホントに宮沢さん&松さんの台詞の応酬場面は凄い迫力でしたっ。
我々観てる方も、息もできないくらいシーーーーーーーンと
静まり返っちゃっていましたもん。
群舞も素晴らしかったですよねぇ~。
わたしゃ、始まってすぐの群舞で鳥肌たっちまいました。
あのスピード(ってかゆっくりさ)が、丁度私のツボなんです。
そして後半のスローモーション&巻き戻し群舞(?)、
あれがまた良かったです~。
今の世の中、このお芝居観て気が付いたです、全てが数字に
なっちゃってて、その数字に一喜一憂してる私達。
もっと自然に生きていく方法ってないもんですかねぇ?

ファボスとダイモス

麗さま
松たかちゃん、りえちゃんに尽きるといった観の
舞台でしたが、麗さんのレビュー読んで、
あぁ、そうだった、そうだった、と色んなシーンが
脳裏によみがえりました。

多分私はどちらかといえばファボスに似て
「七面鳥臭い」人間なので、ダイモスのピュア
に惹かれるのかな、と少し思いました。

ペールギュントにかけられた謎解き。
麗さんの次回のレポを楽しみにしています。

とぐろさん

もぉ~何度言っても言い足りない程、
宮沢&松の台詞の応酬場面は素晴らしかった!
あのシーンでは観客全員が息を呑んで観てましたね。
きっとこのシーンありきで、キャスティングされたのかなぁって、
思っちゃいましたよ。(見事にハマってたし♪)

とぐろさんも群舞フェチ(?)だもんね!(笑)
私も冒頭の群舞でド肝抜かされました。
あんなに多人数のアンサンブルを使うのって、
野田作品としては珍しいしね。
しかもあのアンサンブルの面々って、色々な劇団の役者さんが揃ってて、
自分の劇団では主役級の方々だったそうです。
(残念ながら私は知らなかったのですが・・・。)

数字、、、怖いよねぇ~。
よく「東京ドーム 何個分」とかって表現するけど、
実際にはその広さは想像つかなくないですか?、
でも妙に納得しちゃう自分もいて、、、(笑)
数字は人間の愚かな基準です。

スキップさん

本当に松さん&りえちゃんに尽きる!って感じです。(笑)
これからの演劇界を引っ張っていく女優の共演にシビれました。

うひゃ!
拙い私のレポで、色んなシーンを思い出して頂いて光栄です。
他にも色々と書きたいシーンはあったのですが、
全部書いたらとんでもない程の長文になりそうだったので、
自制しました。(笑)
2度目の観劇後に書けたらいいな。

私もどちらかといえばフォボス派ですね。
純粋っていうよりは、やっぱり”下町のオバちゃん”ですから。(笑)
ダイモスの典型的な「妹キャラ」を羨ましく思ったり、イライラさせられたり、、、。

ペールギュントに関しては「ボタン(=おはじき)」が出てくるあたり、
やはり何らかの意味合いが込められていたのかと思ってます。

2度目の観劇、私自身楽しみです♪

そうそう

麗さん♪
やっと参りました(笑)。
そうそう、あのパイパー値の数字は、株価や為替が表示される
ボードの数字に思えて仕方なかったんですよねぇ。
あの数字の上下に何人の人が踊らされている事か。
そしてダイモスを見て“事実を知る事によって生まれる力”を
感じる事もできましたね。
いつもながら、野田さんの作品にはいろ~んなスパイスが
いっぱい詰まっている気がします。

みんみんさん

いらっさいませー!(笑)

パイパー値の数字。
まさしく株価そのものですよね。(笑)
数値が上がったり下がったりする度に一喜一憂する人間たち。
なんか現代の世相を見事に皮肉ってるなぁって感じました。
ま、今に始まった事じゃないけどね。

>ダイモスを見て“事実を知る事によって生まれる力”
芝居の前半と後半では全く違う人のようになってましたね。
それを演じ分けてる松さん、、、やっぱり凄いっす。

毎回言ってるけど、、、
野田作品の感想を書くのって本当に難しい!(笑)
あれもこれも話したいんだけど、上手く言葉(文字)にできないのよねぇ。
2度目はどんな感想になるか自分でも楽しみです。

やっと

観てきやした。。

野田さん苦手だったけどこれは面白かった^^

でもちゃんとわかったのかどうかよくわからんところが
野田作品の恐ろしいところで。。。

野田作品を観るたびに
「おまえはバカだ」
と言われてる気がして落ち込みます(笑)

ぴらさん

感想よんだよー!

野田作品は本当に感想書くのが難しくて、
私も毎回苦しめられてます。(笑)

>でもちゃんとわかったのかどうかよくわからん
そうそう!
いえてるー!(笑)
私なんか、毎度のことだけど、、、
なんだかよくわからんけど、感動してるんだよねぇ。
野田作品の場合は、頭で理解してるだけじゃなくて、
五感全てで感じてるんだと思います。

いよいよ来週、2度目の観劇してくるよー!
りえちゃんの頑張りを見届けてきます♪

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