ARAIA -クローゼットより愛をこめて-

『SISTERS』@渋谷PARCO劇場

本日観てまいりました。
SISTERS
SISTERS

いやぁ〜、重い!とにかく重い!!
緊張感連続の舞台でした。
こういうテーマってキライじゃないけど、好きでもない。
なんか見ててツラくなるんだよねぇ〜。
女性だからなんとなく理解できるからかな。

てな訳で、詳しい感想をどうぞ。 舞台は・・・ある寂れたホテル。
このホテルの女主人でありレストランを切り盛りしていた操子が数ヶ月前に亡くなった。
今は彼女の夫であり、このホテルのシェフである三田村優治がホテルを経営している。
しかし、操子の死後、客は遠のき、優治の料理の評判もいまひとつ。
そこで優治と従業員の稔子は、優治の従兄弟で、東京のビストロでシェフをしている尾崎信助にレストランの新メニューを作ってもらうよう依頼した。
新婚である信助は、妻の馨と共にこのホテルにやって来る。
このホテルの一室には10年ほど前から、操子の兄であり小説家の神城礼二が娘・美鳥と共にひっそりと暮らしていた。
美鳥が馨に近づいてくことにより、馨の隠された過去がじわじわと忍び寄ってくる。(公式サイトより)


セットは寂れたホテルの一室。
上手側にはベットが二つ並んでいて、下手側には大きな机と本棚のある書斎コーナ。
正面奥にはドアがあり、その向こうには洗面所がある。(らしい)
そしてベット脇の壁から中央の床にかけて、黒く大きな裂け目があり・・・。

内容的には冒頭でも言ったように、「性的虐待」という本当に重いテーマ。
当人の意識によっては「虐待」ではなく「愛情」となる怖さも感じて・・・。
しかもテーマは「性的虐待」だけじゃなく、「ファザコン」や「ロリコン」、「嫉妬」や「裏切り」、「愛憎」や「失望」など・・・。
数多くのテーマが伏線となり、深く重く襲い掛かってきました。

松たか子さん:信助の妻・薫
終始、なにかに怯え、苛立ち、心ここにあらずといった雰囲気。
松さん、、、すごい気迫で熱演してましたね。
終盤でパニック状態になり、バターンっと倒れた時は、まじで驚いた!
完全にイっちゃった雰囲気で身体を硬直させ背中から倒れるんだもん。
幼い頃に、妹とともに父親から性的虐待を受けていた薫。妹を必死に守ろうとしていたが、実は自分が父親からの愛情を独り占めしたいがための行動。
しかし父から選ばれたのは妹のほうで、それが大人になった今でも「嫉妬」という感情だけが心に深い傷として残っている。
夫をベットに誘いこみ、「(首を)締めて」っと言うシーン、父親とのSEXでいつもそうして貰ってたのかと思ったら、すごく怖くなりました。

田中哲司さん:シェフ・信助
薫の優しい夫、信助。
今回の重い芝居の中で、唯一ホッとできる存在でしたねぇ〜。
この芝居の登場人物の中で唯一、正常な感覚を持った存在だったからでしょうか。
って、彼が正常で、その他の人物が異常というのもどうかと思うんですが・・・。
一見、”理解ある優しい夫”と見えるんだけど、実は薫を”卑下”し、”支配”したいだけのナルシストとして見えてしまったのよねぇ。

鈴木杏さん:神城の娘・美鳥
父親を一人の男性として真剣に愛している美鳥。世間では2人の関係を「近親相姦」と言うが、美鳥にとってはたまたま愛した人が父親だっただけで、普通の恋愛と変わらないと思ってる。
ん〜、杏ちゃん!大人になりましたねぇ〜。
父親とのキスシーンにちょっと驚いてしまった私。(笑)
薫に父親との関係を責められ、狼狽する様子など圧巻!
松さんとの競演を楽しみにしてましたが、期待を裏切らない素晴らしい演技を見せてくれました。

吉田鋼太郎さん:小説家・神城
美鳥の父親であり、子供向けの本を書いている小説家。
鋼太郎さん、役得ですなぁ〜。
あんなに若くて可愛い杏ちゃんとキスするなんて・・・。(笑)
最初は温厚な大人の男かと思っていたが、薫から美鳥との関係を指摘されてからの開き直りは凄かった。
しかも美鳥が妊娠してると聞かされてからの狼狽ぶりはあっぱれ!

中村まことさん:ホテルシェフ・三田村
妻である操子が自殺してしまい、ホテルの経営を立て直そうとする三田村。人気レストランシェフの信助を呼び寄せ、修行をしているがなぜかヤル気はみられない・・・。
しかも神城と美鳥の関係を知り、自分とも関係を迫るイヤらしい奴。
いやぁ〜、こういう憎らしいほどズル賢い役がピッタリですなぁ。(笑)

梅沢昌代さん:ホテル従業員・稔子
自殺した操子の遺体の第一発見者。それ以来、「汚れがおちない」、「臭い」っと必要以上にタワシでゴシゴシと掃除をしている。
怪しい役を演じさせると、本当に怖いですねぇ。
冒頭、鼻歌まじりにタワシで壁を擦るシーンから始まったんだけど、その時点から怪しげな雰囲気で不気味でした。(笑)

薫が神城と対決するシーン。
美鳥との関係を責めたてる薫だったが、次第に自分の記憶と交錯していく。
なんで私じゃないの?どうして?っと錯乱していると、床には水が湧き出てきて・・・。
そして舞台後方からは真っ赤な曼珠沙華が流れてきて舞台を覆い尽くしていく。
この美術演出は本当に美しかったなぁ。
この水は薫の心に溜め込んだ過去のトラウマの象徴だったのでしょうか。
次から次へと溢れ出てくる父親への想いを語るのと同時に、止め処なく水が湧き出して。
照明に反射した水紋が壁に映り、キラキラと輝いていたのが印象的でした。

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コメント

重い思い想い

テーマとしちゃ重いしエグいけど演出がよかったね〜
視覚的にキレイだからエグさも半減して。
出演者もよかったしね^^

鋼太郎さんが最近観た中では一番良かった(笑)
シェイクスピアもいいけど実は現代劇のほうが合うんじゃないかと思いました。。

初日に幸四郎さんが観に来てたらしいけど
芝居とはいえ、このテーマを観てどうだったんだろうねぇ。。
興味津々。。(笑)

残ります

観た回数も関係ないとは言えないけど、
このお芝居は時間が経ってもずっと心に残ってそぉです。
そんだけ全てにおいて濃密でしたよぉ、私には。
信助は、観る側の気持ちで全然違って感じるよぉに思えますダ。
私なんか、すぐに他人に頼っちゃう人間だから、
頼らせて包んでくれる信助はとにかく優しい男だったんですよねぇ。
鋼太郎さんは、人間の隠れたエゴの部分を出してるのに
「えらいカッコいぃ役者さんだぁ。」と思いました。
鋼太郎さんだったから、こんな父娘も有り得るかもって思えたデス。
それにしても、圭史さんはこのお話どこまで想像で書いたんだろ、、、?

ぴらさん

テーマは本当に重かったしエグかったね。(笑)
演出に関しては文句なしっ!
私的には水紋がすごく綺麗で感動した。

鋼太郎さん=シェイクスピアのイメージを、
最近の舞台で払拭してるね。
ガマサリといい、今回といい・・・。

>初日に幸四郎さんが観に来てたらしい・・・
あ、そうなんですか!
私、、、不謹慎ですが芝居観ながら、
松さんの父=幸四郎さんだよなぁ〜って想像しちゃってました。(笑)
私も幸四郎さんの感想を聞いてみたいです。

とぐろさん

とぐろさんは3回観に行ったんだよね♪
そりゃ心に残るでしょ!
あんなに濃いぃ芝居を何度も観ちゃったらね。(笑)

信助は、、、
基本的には優しくていい人だと思いますよ。
薫の事を本気で愛してたと思うし。
でもなんかクセがあるように見えてしまったのは、
私の見方がひねくれてるせいかも!?(笑)
ま、観る側の解釈次第でいくらでも違って見えるでしょうし、
それが狙いだったかもしれないしね♪

>圭史さんはこのお話どこまで想像で書いたんだろ、、、?
長塚氏は「細かい女性心理」を見事に描くよねぇ。
なんでこんな事分かるの?ってような事を、
サラーっと書いてるような気がする。
あ、だから私、彼の脚本が苦手なのかな。(笑)

象徴的。

麗さん♪
どんどん水かさが増して動きの邪魔になる水だったり
奥から流れてくる彼岸花だったり、壁の割れ目だったり
何度も出てくる包丁セットだったり・・。
いろんなパーツが意味を持ってる演出でしたよね。
演出自体は結構好きだったなあ。
俳優さんたちもみんな見ごたえアリですし。
馨と美鳥を見ていると、どっちが本当に強くて、
幸せって何なんだろうねーって思ったりもしますよねぇ。
映像で観たら、この“重さ”は伝わりにくかっただろうから
生で観る事に意味のある舞台だったと思います。

みんみんさん

確かに様々な演出、美しかったですね。
水に関しては、最初は全く気付かなかったので、
どっから沸いてきた?って不思議に思ってました。
(どんだけ鈍いんだ・・・私)

彼岸花が流れてきた時は、(ほほぉ!そうきたか)っと、
感心しちゃいましたよ。(笑)

キャストは皆、素晴らしかったです!
ってか見事なキャスティングだなっと、
これまた感心しちゃいました。(何様?)

馨と美鳥、本当に強いのは、、、美鳥かなぁ〜。
世間体を気にせず、自分の愛を貫く勇気は、
かなりのものだと思います。
それは”若気の至り”という一言では片付けられないなっと。
ほんと”幸せ”ってなんでしょうね。

この舞台は「生」で観たほうが断然いいですね。
会場全体を包み込んだ緊張感は、映像では伝わらないだろうしね。

舞台も客席も

麗さま
大阪の舞台、初日だったせいか、客席にも
緊張感が溢れていて、事の成り行きを
固唾をのんで見守っている雰囲気でした。
いつもながら予備知識なしで観たので、
これでもかってカンジで不快になって
いきましたが(笑)、役者さんの演技も
長塚さんの演出も、舞台としては極上の
出来だったと思います。

演劇の精華ですね!

>麗さま
>なんか見ててツラくなるんだよねぇ〜。
こういう人倫に挑戦というの好きですね。オイディプス以来,人間が永久に背負わなければならない宿業みたいなものでしょうか。続編希望。
父子相関で生まれた娘の自棄な生き方が周りを不幸に巻き込む話がいいな。それではアンチゴネになるかも…。
最近ブログは放りっぱで,通信簿も26歳男性並みの低空飛行続けています。カツ入れてやってくださいませ。

ファザコン? ロリコン?

> 当人の意識によっては「虐待」ではなく「愛情」
> となる怖さも感じて・・・。
うんうん。礼二と美鳥の関係は本当に愛し合ってる
のかもしれない、と思えてきました。
馨は「そう思わされてるのよ」って言うけどね。
でも、美鳥はまだ若くて経験不足だし、愛の意味さえ
本当はわかってないんだと思うけど。
殴られて痛いほどお父さんの愛を感じる、ってねぇ。

最後の花は曼珠沙華、彼岸花ですか〜。
異様だけど、光がユラユラして、その風景をしばらく
見ていたいと思う甘美さでしたね。

長塚作品が1年間見られないと思うとサビシイです。
帰国第1作は藤原竜也くんでいかが?

スキップさん

この舞台は本当に緊張感で一杯でした。
私も息をするのも躊躇してしまう位、
集中して観てましたよぉ。

>これでもかってカンジで不快・・・
言えてます!
私も神城の身勝手さや、三田村のズル賢い”いやらしさ”に憤慨してました。

長塚作品は「苦手」という先入観があったのですが、
今回の舞台は役者たちの演技も手伝って、
本当に素晴らしかったと思います!
1年後(?)の次回作が楽しみですね♪

とみさん

>こういう人倫に挑戦というの好きですね。
確かに演劇の世界は、「近親相姦」がテーマになった作品が、
意外と多いですもんね。
しかもどれも「真実の愛」と描かれているように思います。
これも世間的なタブーに、客も興味をそそられるという事なのでしょうか。

>父子相関で生まれた娘の自棄な生き方が周りを不幸に巻き込む話がいいな。
うわぁ〜。
これはまたディープな話になりそうですね。
でも私も興味あります。(笑)

通信簿、拝見しましたよぉ。(笑)
26歳男性って、大笑いしちゃいました。
私も今度やってみようかしら。
とみさんにカツ入れなんて、出来ませんよぉ。
カツ揚げなら、カラっとサクっとできますが。(笑)

ムンパリさん

礼二と美鳥の関係、、、本当はどうだったんでしょうね。
観る側によって、色んな解釈が出来るような気がします。
馨の言う事も理解できるし、美鳥の言う事も理解できるし・・・。
暴力で愛情を確かめるっていうのは、
理解できませんが。(笑)

最後の曼珠沙華と水紋は本当に美しかったですね。
私も見惚れてましたよ!

>帰国第1作は藤原竜也くんでいかが?
あっ!いいですね!(笑)
留学してどんな作品を書き上げるのか、
今後の長塚氏にも期待します。

ははは!!

>なんでこんな事分かるの?ってような事を、
>サラーっと書いてるような気がする。
>あ、だから私、彼の脚本が苦手なのかな。(笑)

ははは!!なんか分かる気がする〜〜!
長塚さんの書くセリフは、この所だんだん美しくなって、私はますますハマりそうです。
麗さまは、それでもやっぱり観にゆく?長塚作品!?
それにしても、一年間寂しいよ〜〜!次回作が楽しみだ

かずりんさん

うひゃ♪
長塚氏は、女の醜い所を突いてくるから、
苦手なのかな〜っと自己分析です。(笑)

最近の作品は、傾向が変化してきましたね。
ってか、PARCOプロデュース公演だと、
”おとなしめ”にまとめてる印象があります。

>それでもやっぱり観にゆく?長塚作品!?
行きますよぉ〜♪
劇団の本公演には、食指は動きませんが・・・。
外出し作品なら観に行く気マンマンです!(笑)

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